【書籍】スタンフォード式 最高の睡眠
世界一とも呼ばれる米国スタンフォード大学の睡眠研究。そのトップを務める世界的権威の日本人西野先生による「最強の眠り方」を伝授する本です。2023年現在、30万部を超えるベストセラーとなっています。
2017年に「睡眠負債」という言葉が新語・流行語大賞のトップ10にノミネート、脳科学者の枝川義邦教授(早稲田大学リサーチイノベーションセンター研究戦略部門)が受賞しました。当時大きな話題を呼んだことは記憶に新しいです。
はじまりは、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の初代所長ウィリアム・C・デメント教授が、1990年代から使い始めた「Sleep Dept(Sleep=睡眠 Dept=負債)」と呼ばれる概念です。睡眠が足りず慢性化してしまうと睡眠負債に陥り、脳も体にも多大な影響を及ぼします。簡単には解決できない深刻なマイナス要因が、気づかないうちにたまっていく眠りの借金こそが「睡眠負債」なのです。
一方、本書の著者はスタンフォード大学医学部で睡眠研究を行う西野教授。
著者曰く、日本は世界一「睡眠偏差値」が低い国であるようです。
フランス 8.7時間
アメリカ 7.5時間
日本 6.5時間 (睡眠時間が6時間未満の日本人は約40%もいる)
眠りには個人差があるので、もし短くても問題ないと感じているのであれば、それでもかまわないと考えられるが、著者らの調査では、6時間未満しか寝ていない日本人も、実は7.2時間くらい寝たいと感じている。
この「眠りたい時間」と「実際の睡眠時間の差」も諸外国に比べて大きいのが実状だ。
東京の平日の平均睡眠時間は5.59時間であり、世界の都市と比べて断トツで少ない。日本では、都会に住む人ほど眠れていないのです。
睡眠の質を上げるために、本書では「黄金の90分」と表現されていますが、
眠りはじめて最初の90分にしっかりと深い睡眠に入ることが重要であるとされています。
ここで深く眠ることができれば、その後の睡眠リズムも整い、自立神経やホルモンの働きも良くなり、翌日のパフォーマンスも上がります。
ではどうしたら深く眠れるのでしょうか。
本書では、スムーズな入眠、睡眠の質向上につなげることがのための具体的な方策として、体温のコントロール方法を提示しています。
体の内部(深部)体温と、表面(皮膚)温度の差が縮まることで人は眠くなります。
本書では、簡単にできる具体的な方法として、「眠る90分前入浴」をすすめています。
- 風呂に入ることで、深部体温が上がる
- 風呂から上がった後、深部体温は急降下
90分後には入浴前に戻り、その後さらに下がる - 皮膚温度(表面温度)は、体(特に手足)の熱放散が本格化し上昇
- 深部体温と皮膚体温(表面温度)の差が小さくなり、スムーズな入眠に
時間を意識してお風呂に入るだけというとてもシンプルな方法です。
今日・明日からでもすぐに実践しましょう!
夜20時までに夕食を済ませ、~21時までには入浴することで、22時半には自然と眠たくなるようになりました。
早く眠るとその分早く起きます。シンプルです。
多くの人は23時までに眠る生活リズムが続くと、朝6時30分には目覚まし時計なしで起きることができると思います。